むかしむかし、ある村にお花というキツネと、こんというタヌキが住んでいました。
很久很久以前,某个村子里,住着叫小花的狐狸,和叫小昆的狸。
二匹とも、化けるのがとても上手です。
这两只都很擅长变身。
ある日の事、お花とこんが、道でバッタリと出会いました。
话说有一天,小花和小昆在路上突然相遇。
こんは、わざとていねいに言いました。「お花さんは化けるのがとても上手だそうだけど、おいらとどっちが上手かな?」
小昆故作礼貌地说道:“听说小花很擅长易容,和我相比的话,不知道谁更擅长呢?”
「さあ?どっちが上手か、化け比べをしてみないとわかんないわ」
“那谁知道呢?要说谁更擅长,不比过怎么会知道呢。”
それを聞いたとたん、こんが腹を立てました。「よし、そんならどっちが上手か、化け比べをしよう」
小昆听了之后很生气,说道:“好,那就比比谁更厉害吧。”
「いいわよ。明日の晩、お宮さんの境内(けいだい)へ来てちょうだい」お花はそれだけ言うと、帰っていきました。
“好啊。明天晚上就来神社院内吧。”小花说完就回去了。
(女のくせに、なんてなまいきなキツネだ。見ていろ。かならず負かしてやる。・・・だが、何に化けたらいいのだろう?)こんは何に化けたらお花に勝つか、一生懸命に考えました。
(就算是个女的,可这狐狸也太傲慢了吧。等着瞧吧。一定会赢你的。・・・可是,变成什么好呢?)小昆拼命想着变成什么才能赢小花。
何しろお花の化ける花嫁姿は、こんもほれぼれするぐらいきれいで、いつも人間の娘さんと間違えてしまいます。
小花变的新娘子连小昆都会被迷住,常会被误认为是人类的姑娘。
それに化けるのが上手なこんでも、男なので花嫁姿にだけは化けることが出来ません。
虽然小昆擅长变身,可是因为是男子,所以无法化作新娘。
さて一方、キツネのお花はというと、「こんったら、どうせわたしに勝てっこないのに。まあいいわ。もう二度と化け比べをしようなんか、言い出せないようにしてやる」と、言って、何度も何度も花嫁姿に化ける練習をしました。
话说那叫做小花的狐狸,她说:“这小昆明明赢不了我的嘛。算了。就给他点颜色看看,让他以后再也不会说出比比变身这种话了。”然后一次次地练着变身新娘子。
さて、いよいよ化け比べの夜になりました。
话说,终于到了比赛的那晚了。
お花はいつもの様に、花嫁姿に化けました。小花像往常那样,变成了新娘。
練習をしただけあって、本当に美しい花嫁姿です。
由于练习了很多次,所以真的是很美的新娘。
そしてお花は本物の花嫁みたいにはずかしそうにうつむきながら、お宮さんへ行きました。
而且小花像真的新娘那样害羞地低着头向神社走去。
ところが鳥居(とりい)をくぐろうとして、ふと下を見ると、ホカホカとゆげのたっているまんじゅうが落ちているではありませんか。
可是在要经过牌坊时,突然往下一看,看到一只热气腾腾的馒头落了下来。
お花は思わず、つばを飲みました。
小花情不自禁地咽了口水。
あたりを見回しましたが、こんはまだ来ていないようです。
看了下周围,小昆好像还没来。
(うふふ。今のうちだわ)お花は急いでまんじゅうを拾って、口の中へ入れようとしました。
(呵呵呵。现在正是时候)小花急急忙忙地捡起馒头,正要放进嘴里。
そのとたん、まんじゅうがパッとタヌキに変わったのです。「あははははは。いくら美しい花嫁に化けても、やっぱり食いしん坊のキツネだなあ」
正在这时,馒头一下子变成了狸。“啊哈哈哈哈。不管变成多美丽的新娘还是个贪吃的狐狸啊。”
「!!!」恥ずかしくなったお花は花嫁姿に化けているのも忘れて、尻尾を出したまま逃げてしまいました。
“!!!”小花深感耻辱,忘记自己还是新娘的样子,就拖着尾巴逃走了。