昔々のことです。貧しい粉ひきがしんで、三人の息子が残されました。
そして、一番上の兄は、水車小屋を、二番目の兄は、ろばをもらいました。でも、すえに男の子は猫を一匹もらっただけでした。
がっかりする末っ子に猫が言いました。
「きっと、いいことがありますよ」
「わたしに、おおきな袋と、丈夫な長靴をください。」
猫がそういうので、末っ子は用意してやりました。
すると、猫は、野原で袋を使って、うまく兎を捕まえました。そして、王様のところにいって、言いました。
「これはカラバ公爵様からの贈り物です。」
カラバというのは猫が末っ子に勝手につけた名前です。
こうして、猫は王様に何度も贈り物をしました。
あるひ、王様と王女様が川のほとりを馬車で通りかかりました。すると、
「たいへんだ。カラバ様が水浴びをしている間に、泥棒に洋服を盗まれたと!」と、猫が騒いでいます。