日本語には、自分のことを表す言葉がたくさんあります。性別や年齢、話す相手や場面、時代や地域によって種類はさまざま。現代では、一般的に、男性は「ぼく」「おれ」「わたし」、女性は「わたし」「あたし」を使う人が多いようです。
どんな言葉を使うかは、ドラマのセリフや小説などでは主人公のイメージを決める要素としても重要。作家・村上春樹は、アメリカ小説の翻訳で、主人公に「わたし」と「ぼく」のどちらを使わせるかで、とても悩んだ、とエッセーに書いています。
4月は新しいテレビドラマも始まる時期。どんな言い方が使われているか、注目してみるのも面白いかもしれません。
「自分」を指す言葉、使い分けいろいろ。
・ せっしゃ(拙者):時代劇で武士や侍が使う。現代では使わない。
・ わし:主に年配男性が使う。
・ わたし:女性がもっとも一般的に使う。男性も改まった場面で使う。
・ あたし:主に女性が使う。「わたし」より口語的。
・ ぼく、おれ:主に男性が使う。「ぼく」より「おれ」のほうが少し乱暴な感じ。最近、女子高生がわざと「おれ」を使うこともある。
・ わたくし:男女とも使う丁寧な言い方。取引先の人や目上の人に使う。あるいは改まった場面で使う。
・ 自分:警察や運動系のクラブなどに属する男性がよく使う。